今回は、人事総務の道標:「研修」業務について です。
人事の業務「研修」とは NYA事務所編
真白くん、入社時研修の内容を決めるために、錆柄さんにヒアリングをしに行くから、勉強のために一緒に来てくれるかな。
はい。わかりました。
………
……
…
鍵尾部長、おつかれさまです。
お疲れ様です。
おう、和。賢。おつかれ。二人そろってどうかしたのか?
錆柄さんの入社時研修の内容を決めたいので、錆柄さんにお時間をいただいてもよろしいでしょうか。
あぁ。今なら大丈夫だぞ。
臆~。ちょっとこっち来てくれ。
はい。承知しました。
錆柄さん、おつかれさまです。今少しお時間よろしいでしょうか?
おつかれさまです。
はい。大丈夫です。
入社時研修の内容についてのご相談なのですが、前の会社で研修は受けられましたか?
研修、ですか・・・ちゃんとしたのは、あまりなかったですね。ほぼOJTでした。
OJTってなんだっけ・・・?
そうでしたか。当社では、新卒はマナー研修から、中途入社の方はご本人の希望に沿って行うのですが、マナー研修は受けられますか?
マナー研修って、どういった内容なんですか?
挨拶や敬語、ビジネスマナー、メールの書き方、電話対応、席次等です。
新卒向けの基礎的な内容ですよね?
はい、その通りです。
マナー研修以外の研修はありますか?
はい、新入社員向けには、社会人としての考え方や社会人基礎力などがありまして、月に1~2回半年ほどかけて実施します。
社会人としての考え方ってどんなのだっけ・・・?
なるほど。しっかり研修していただけるんですね。
そうだぞ。和の講義は受けておいて損はないからな。しっかり受けておけよ。
そうですね。では復習も兼ねてマナー研修から一通りお願いしてもよろしいでしょうか。
はい。大丈夫ですよ。
ところで、賢。さっきから不安そうな顔してるけど、お前去年受けた研修内容覚えてるか?
えぇっと、QとかPとかDのやつですよね?
もしかして、PDCAサイクルとQCDRSが混ざってないか?
……
賢、お前もう一回、臆と一緒に研修受けたらどうだ?
すみません・・・
人事の業務とは
人事は、大きく分けると下記4つの業務に分かれるとお伝えしたと思います。今回は、「4.研修」についてご説明していきたいと思います。
「研修」業務とは
【研修】の解説
1. 1 [名](スル)職務上必要とされる知識や技能を高めるために、ある期間特別に勉強や実習をすること。また、そのために行われる講習。「入社後研修を受ける」「海外研修」
つまり、「研修」業務とは、採用した従業員が今後会社で働いていくために必要な知識や技能を高める(身に付ける)ための勉強会や実習を行う業務をいいます。
なお、「研修」業務には、人事等研修担当者が、研修の対象者を集めて行うOff-JT研修だけでなく、配属された部署の業務を先輩や上司に教えてもらいながら行っていくOJT研修もありますので、人事だけが「研修」業務を行うわけではありません。
ですが今回は、人事業務についての説明ですので、人事主導で行うOff-JT研修について、ご説明していきます。
研修の目的
研修の1番大きな目的は「人財育成」と「自己成長の機会を設ける」ことです。
そのため、「研修」の対象者は新たに採用した従業員だけでなく、既存の従業員も含まれます。
また、研修ごとの目的は、研修の受講者によって異なります。
たとえば、下記のような 目的を設定します。
- 新入社員(新卒)向け研修の目的
社会人としての考え方、仕事の受け方やビジネスマナーを身に付ける
- 中堅社員向け研修の目的
上司を助けるためのフォロワーシップと後進育成のためのリーダーシップを身に付ける
- 管理職向け研修の目的
プレイヤーではなくマネジメントによる成果達成のために必要な能力を身に付ける
研修時の注意点
研修を実施するには、研修担当者が研修内容について詳しく知っておく必要があります。
また、法改正等によりテキストの修正、変更が必要になることがあるため、常に最新の情報を入手し、学び続ける姿勢も重要になってきます。
前任者が作成したテキストをずっと使い続けているという話も聞きますが、いつ作成したか分からないテキストを用いた研修では、必要な知識が身に付かない可能性があります。特にOff-JT研修の場合は、最新情報を伝えられるように定期的に見直しておきましょう。
なお、「研修」業務は、人財を育成するための手段のひとつですが、受講者に学ぶ姿勢がなければ、その「研修」にかけたコストは無駄になってしまいます。
そのため、何故その「研修」が必要なのか、ということを受講者に説明し、自己成長の機会として積極的に取り組むように促すことも大切です。
まとめ
「研修」業務の1番大きな目的は「人財育成」と「自己成長の機会を設ける」ことです。
その「研修」の内容が古いままでは効果が出ないことがあります。
「研修」業務を行う際は、内容をしっかり確認し、テキストは定期的に見直すようにしましょう。
なお、専門的な研修を実施する場合や、研修担当者の離職、そもそも適任者がいない場合などの理由により、研修は、研修会社に委託している場合があります。
そのため、人事の研修担当になった場合には人事主導で行う研修の範囲を必ず確認しておきましょう。