今回は、人事総務の道標~「採用」業務についてです。
「採用」業務について NYA事務所編
なるほど、「人事」と「採用」は、「人に関わること」という意味では同じですけど、業務の内容は違うんですね。
そうだよ。
勉強になりました。ありがとうございます。
じゃぁ、採用の準備をはじめようか。まずは、営業部の鍵尾部長にお話をお伺いしたいから、ご都合のいい日時を聞いてきてもらえるかな。
分かりました。
・・・打ち合わせ当日
鍵尾部長、お疲れ様です。
お疲れ様です。
おぅ、和。お疲れ。賢もな。
お時間いただきありがとうございます。
いや、オレの部下雇うんだしな、大丈夫だ。
でもさ、オレはそんなに急いでないぞ?
今回は求人広告を出す予定なので、採用までに時間がかかってしまうんです。
ふ~ん。そういうもんなのか。それでどのくらいかかるんだ?
はい。媒体選定から始めますので、すべてが順調に進めば最速で2か月、普通でも3か月程度はかかります。
なるほど、結構かかるんだな。分かった。何を話せばいい?
まずは、、、
・・・媒体って何だろう?
ん?賢、大丈夫か?
はい、大丈夫……です
真白くん、初めてだから分からないこともあると思うけど、後で教えるから今は聞いておいて。鍵尾部長、気にせず続けてください。
……?
和、お前も大変だな。
あと賢、がんばれよ。
はい!
人事の業務とは
人事は、大きく分けると下記4つの業務に分かれるとお伝えしたと思います。今回は、「1.採用」についてご説明していきたいと思います。
「1.採用」業務とは
前回の、人事総務の道標~「人事」と「採用」の違いでも簡単にご説明したとおり、「採用」業務は、企業の大切な財産である「人」を確保するのが仕事です。
では、「人」を確保するとは、どのようなことだと思いますか?
「面接」はすぐに出てきそうですが、それ以外はどうでしょう?
実は、「面接」以外にもたくさんの仕事があるのです。
面接するための準備
予算を確認する
採用予算の設定は、年間の採用予算を定めていたり、採用の都度予算を定めていたり、採用職種ごとまたは役職によって大体の予算が決まっていたりと、会社によって異なります。
採用の担当者になったときには、採用にかけられる予算をあらかじめ確認するようにしましょう。
その他、「人」の確保にはコストがかかります。
求人サイトに掲載する場合は、掲載費が必要になりますし、面接に関わる人の時間=人件費も必要になります。
そのため、求人サイトへの掲載費だけでなく、誰が担当するか、いつまで担当するか等人に関するコストも意識するようにしましょう。
スケジュールを確認、調整する
この記事にも書いているように、採用業務には「面接」以外にもたくさんの仕事があります。特に兼任で採用業務を行っている場合は、他の業務との兼ね合いもあるはずです。
また、面接に関わる人に他部署の方が含まれている場合は、他部署のスケジュールも確認する必要があります。
繁忙期と採用が重なってしまうと、面接に十分な時間が割けなくなってしまう可能性がありますので、十分配慮しましょう。
求人媒体の選定
多くの場合、求人情報等を見た求職者が応募し、企業側の書類選考を経て、面接というプロセスをたどります。
つまり、面接をするためには、企業は自社が「人を採用するつもりである」という求人情報を公開し、求職者の方に応募をしてもらわなければならないのです。
その求人情報の公開のためによく用いられるのが、「求職サイト」=求人媒体です。
「求職サイト」は複数あります。採用をする企業側は、どの求職媒体に求人情報を掲載すればより応募してもらえるのかを考え、自社に一番合うまたは募集職種に合う求人媒体を選定します。
この選定を失敗すると、「求めているスキルを持った人が応募してきてくれない」とか、「そもそも応募がない」なんてことになるのです。
そのため、求人媒体の選定は非常に大切な業務なのです。
面接の準備
面接にも準備が必要です。
準備は企業によって様々ですが、募集職種ごとに採用試験や適性テストを作成したり、ヒアリングシートやチェックシート等を作成したりすることもあります。
また、面接時の質疑応答で応えられるように、面接担当者は社歴や提供しているサービスや商品、社内の情報なども知っておかなければなりません。
これも、大切な事前準備の1つです。
まとめ
企業の大切な財産である「人」を確保するためには、「面接」だけではない部分がたくさんあります。
上記以外にも、採用ターゲットの設定や、求人媒体への掲載準備、応募書類の確認、面接日時の設定等、一般的にはあまり知られていない細かい仕事があるのです。
採用媒体を使用せず、自社サイトで求人情報を公開する場合でも、他の部署が関係してくる場合でも、社内スケジュールの調整や面接準備は必須です。
応募者が数百人と多くなればなるほど、応募書類の確認や、面接日時の調整にも時間がかかりますので、採用業務を行う際は、自身のスケジュールにも気を配るようにしましょう。