マナーOJTインストラクターの國吉浩太朗です。
今回は、ビジネスでよく使われる「存じます」の使い方についてご説明していきたいと思います。
ビジネスでは、社内外の人とのやりとりが多く発生します。
例えば、問い合わせやメールに返事をしたり、逆にこちらからメールを送ったり…etc
そこで、敬語を使おうとして乱用されがちなのが、「存じます」という言葉です。「存じます」という言葉の意味を考えずに使うと、本来伝えたいこととは違う意味となってしまい、自分が伝えたい内容が正しく相手に伝わらないことがあります。
そのようなことが起こらないように、「存じます」の意味から見ていきたいと思います。
「存じます」の意味
実用日本語表現辞典を引いてみると、
「~だと思います」。「存ずる」は「思う」「承知する」などの謙譲語。
と出てきます。見て頂いたとおり、「存じます」は「思います」という意味なのです。そのため、「思います」だと情報が正確に伝わらなくなってしまうことがあるのです。
「存じます」を使用するときの注意点
あいまいだと思われないように気を付けよう
辞書の意味を考えて、この文章を普段の言葉に直してみましょう。普段の言葉になおす理由は、メールの書き方:Step1 メールを作る「3つ」の手順で解説している通り、言葉の使い間違いや文のつながりがおかしくないかを確認するためです。この文章は
となりますよね。
ビジネス文書としてこの文章が届いた場合、受け取った側は、
なんて思うかもしれないわけです。
今回の例を普段の言葉で表現すると、
「書いてあると思う」、では相手にしっかりとした印象は与えられません。「書いてある」とはっきりとした回答をすべきです。
先日お渡しした資料のP.2にも記載しておりますので、あわせてご確認くださいませ。
と記載する方が、聞いてきた相手にとっては「書いてあると思う」、と答えられるよりも親切だと思いませんか?
マナーは、相手に対する思いやりです。伝えるべきことは、きちんと伝えましょう。
相手を思い、あいまいな表現を使用することもありますが、ビジネスでは「正確に伝わるか」という点も重要です。あいまいに書き、相手を不安にさせないようにしましょう。
感想文にならないように気を付けよう
1通のメールの中で「存じます」を多用してしまうと、感想文のようになってしまうので注意が必要です。
簡単な文章に直すと
思ってばっかりですね。特に、社内で確認したのに「納入できると思う」と書かれると「この人確認したのかな?」、「自信がないのかな?」と感じてしまう人もいるかもしれません。
Bにつきましては、*月*日以降でしたら、納入可能とのことでございましたので、ご検討頂けますと幸いに存じます。
まとめ
ビジネスの場合は、ある程度は自分の言いたいことを伝えても大丈夫です。丁寧さを意識しつつ、伝えたいことはハッキリ伝えられる文章を書くようにしましょう。
伝えるべきことをはっきりと書けないために「自信がないのかな?」と感じられてしまうと、ビジネスではかなり不利です。なぜなら、「自信がない」人に、仕事は回ってこないからです。
特に、期日などがある場合は、あいまいに書いてしまうと、希望の期日通り納入されると思い込んでしまい、トラブルになる可能性もあります。
そのため、上記のように、期日に納入できるか、できないか、いつなら納入できるかをきちんと書くようにしましょう。
ただし、不確定な部分や時期がずれる可能性がある場合には、明記しない方が適切です。
このような場合には、下記のように、納期に幅をもたせたり、時期が未定であることが明確に伝わる書き方をするようにしましょう。