今回はコミュニケーションの鍵: 3本目 情報共有 について です。
真白くん、ちょっといいかい?
はい、茶縞部長。なんでしょう?
今月入社予定の錆柄さんの件で打ち合わせしたいことがあるんだ。悪いんだけど、会議用のノートPCを持って、5時に三毛君と一緒に会議室まで来てくれるかな?
分かりました。
僕は銀行に行かないといけないから、三毛君に共有頼んだよ。
はい。
…………
………
……
あ、真白くん。今いい?
はい。大丈夫です。
申し訳ないんだけど、郵便局で収入印紙を買ってきてもらえないかな?
はい。わかりました。何円のですか?
打ち合わせのこと、帰ってからでいいかな・・・
…………
………
……
・・・・・15:03
あ!
真白くん、どうしたの?
三毛課長・・・すみません。茶縞部長からの伝言を忘れてました。
どんな伝言?
今月入社予定の錆柄さんのことで打ち合わせしたいので、会議用のノートPC持って15時に会議室に来てください。と……
15時?え、もう過ぎてるじゃない・・・ノートPCは準備してる?
すみません……それもまだです……
・・・今から準備しようか。これから気を付けてね。
はい。すみません……
でも茶縞部長、まだ戻られてないんじゃない?戻りは15時過ぎるって聞いていたんだけど。
そういえば・・・いらっしゃらないですね。
ほんとに15時?
えぇっとメモでは・・・5時・・・ということは17時?・・です。
真白くん、焦る気持ちも分かるけど、ミスした時ほど慎重にならないといけないよ。
はい・・・
でも、5時でよかったわ。茶縞部長をお待たせしなくて済んだから。真白くん、情報共有はしっかりしようね。
はい・・・
ただいま。うん?三毛君、何かあったのかい?
・・・はい。実は・・・
情報共有とは
情報共有の定義
まず、情報共有の意味から見ていきましょう。
【情報】 の解説
1 ある物事の内容や事情についての知らせ。インフォメーション。
「事件についての情報を得る」「情報を流す」「情報を交換する」「情報がもれる」「極秘情報」【共有】の解説
1 一つの物を二人以上が共同で持つこと。「秘密を共有する」「共有財産」出典:デジタル大辞泉(小学館) 一部抜粋
辞書によると、情報共有とはある物事の内容や事情についての知らせを二人以上(複数人)で共同して持つこと と言えます。
つまり、報連相やコミュニケーション同様、情報を共有する相手が必ずいて、自分と共有相手が1つの物=同じ情報を持つということになるのです。
業務としての情報共有
情報共有は、コミュニケーションや報連相同様、仕事をしていくうえで、必要不可欠な業務です。
なお、業務として共有される情報は下記のとおりです。
- 見聞(見たり聞いたりしたこと)
- 知識(知っていること)
- ノウハウ(専門的な技術やその蓄積)
- 情報(内容や事情についての知らせ)
情報共有すべきもの
業務上共有すべき「見聞、知識、ノウハウ、情報など」には、業務を進めるために重要な下記のものが含まれます。
- 共通目標(会社、部などの目標)
- 指示や依頼に対する状況や結果(進捗状況を含む)
- 発生している、または、発生する可能性のある問題(課題)
- 問題(課題)に対する解決(対応)策
- 成功事例
- 失敗事例
- 国(政治、経済含む)や加盟団体、業界の動向
- 法令やルールの制定・改定・廃止の情報
情報共有の必要性
情報共有は、円滑に仕事を進めていくためにも必要不可欠です。
もし、会社としての目標や方向性を共有しなかった場合、会社と従業員の認識が揃わないため、指示と異なる仕事(業務)をしてしまったり、ルール違反をしてしまったりする可能性が出てきます。
また進捗状況の共有がなかった場合、計画と現状の違い(遅れているのか、進んでいるのか)に気付くことができないため、指示された期限や納期に遅延してしまうことも考えられます。
このように、情報共有を行わないと様々な問題が発生してしまい、「問題に対応する」という仕事が増え、仕事が円滑に進まなくなってしまいます。
そのような事態にならないためにも、情報共有は必要なのです。
情報共有をする時の注意
情報共有は、情報を共有する相手が必ずいて、自分と共有相手が同じ情報を持つことです。
そのため、共有する情報に誤りがあってはいけません。
また、情報を共有する相手は状況によって異なりますので、必要な情報が必要なところに届くよう、共有の範囲をしっかり確認しておきましょう。
(例)何らかの業務を外部に発注する場合
何らかの業務を外部に発注する場合、共有情報と共有範囲は下記のようになるでしょう。
共有情報
- **の業務を**会社に発注
- 金額は〇〇円
- 期間は*月*日~*月*日
- 担当は**さん
共有範囲(社内)
- 発注の許可を出す人
- 発注書を作る人
- 発注業務の進捗管理をする人
- 発注金額の支払いをする人
(例)今回の場合
今回の場合、共有する情報は、
- 今日の5時(17時)から会議室で打ち合わせ
- 必要なものは会議用のノートPC
- 参加者は茶縞部長、三毛課長、僕の3人
共有の範囲は参加者の3人ですね。
総務に用がある人が困らないように、社内にいる人にも共有しておくと良いかもしれないね。
まとめ
仕事が円滑に進まなければ、少なからず周囲にも影響が出てきます。
問題が発生すると自身の仕事(業務)だけでなく、同じチームや部署内においても悪循環が生じ、ミスをしやすい環境になってしまいます。
情報共有は仕事上の問題やミスを減らすための有効な手段の一つです。
円滑に仕事を行い、周囲の評価や協力を得るためにも、主体性をもって情報共有をしていきましょう。