今回は人事総務の道標:「人事」業務 についてです。
人事の業務「人事」とは NYA事務所編
みんな、おはよう。ちょっと集まってくれるかしら?
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紹介するわ。今日から一緒に働く錆柄君よ。
おはようございます。本日より皆さんと一緒に働く事になりました、錆柄 臆と言います。若輩者ですが精一杯努めて参りますので、よろしくお願いいたします。
はい、みんな、拍手〜
ありがとうございます。よろしくお願いします。
じゃあ、解散。茶嶋くん、三毛さん、後はお願いね。
はい。
承知しました。錆柄さん、改めてまして三毛と申します。よろしくお願いします。
総務部長の茶嶋だよ。面接で会ってるけど、覚えているかい?
はい。茶嶋部長、三毛さん、面接の際はお世話になりました。これから、よろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
それでは、従業員入り口から順に社内をご案内して、会議室で就業規則などの説明をしますのでついてきてください。
よろしくお願いします。
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・・・以上が、ご説明になります。分からない所はありますか?
いえ、詳しくご説明頂いたので大丈夫です。
じゃあ、最後に配置辞令を渡すね。
配置辞令ですか?
はい。雇用契約書に職務内容の記載はありますが、部署の記載はしていませんので、配属部署を明らかにするために、当社では配置辞令を出しているんです。
そうなんですね。しっかりしていらっしゃるんですね。
ははは。形式的なものだけどね。じゃあ読み上げるよ。
2021年2月◯日
錆柄 臆殿 あなたを2021年2月◯日付けで営業部に配属します。
株式会社NYA事務所 代表取締役 招 ねこ
はい。謹んで承ります。
ははは。そんなに畏まらなくて大丈夫だよ。
これで入社時の説明は終わりです。分からないことがあったら、総務部になんでも聞きにきてくださいね。
はい、ありがとうございます。
では、営業部長の鍵尾さんにご挨拶しに戻りましょうか。その後、勤怠システムなどのご説明をしますね。
人事の業務とは
人事は、大きく分けると下記4つの業務に分かれるとお伝えしたと思います。今回は、「2.人事」についてご説明していきたいと思います。
「2.人事」業務とは
人事業務は、従業員の適正や能力に応じ、部門間の「人財」の調整や「人財の活用」を担う職種です。具体的には下記のような業務を行います。
- 配属先の決定
- 異動の決定、通達
- 昇格、降格等の決定、通達
- 人事面談の設定や同席
- 人事制度の制定や見直し
配属先の決定
新規に採用した「人財」の配属先=所属部署を決定し、通達します。
その通達のために発令されるのが、「配置辞令」です。
なお、ジョブローテーション制を取っている会社の場合、配属先が正式決定するまで発令されない場合もあります。
異動の決定、通達
事業活動の変化により、部署によっては「人財」の過剰や不足が起こる場合があります。
その部門間の「人財」を調整し、「人財」が過剰な部署から「人財」が不足している部署へ「人財」の異動を行います。
この異動で発令されるのが、「異動辞令」です。
なおジョブローテーションも「異動」に含まれます。
昇格、降格等の決定、通達
勤続年数に応じ昇給、昇格する定期昇給制や年功序列制の会社もありますが、近年は定期昇給制や年功序列制を見直し、成果により昇降給や昇降格を決定する会社も増えてきています。
なおこの場合、昇格や降格などは、人事考課や就業規則などの社内規程に基づき決定されるため、考課者である直属上司や所属長等が昇降給や昇降格を決定することが多いでしょう。
そのため、人事は決定された昇降給や昇降格が人事考課による昇降給、昇降格基準や社内規程と合致しているか確認し、問題なければ決定事項の通達を行うことになります。
この通達で発令されるのが「(昇格または降格)辞令」です。
人事面談の設定や同席
人事考課のために人事面談を行う会社は少なくありません。そのため、各部署に業務を調整してもらい、人事面談を行う時間を従業員の人数分確保する必要があります。
その調整依頼を依頼し、人事面談が確実に行われるようにします。
なお、会社によっては、人事考課の基準や社内規程を逸脱した昇降給や昇降格を防ぐ目的で人事担当者が面談に同席する場合もあります。
人事制度の制定や見直し
事業活動や時代、技術の変化により、求められる「人財」も変化します。その変化に対応するために新たな人事制度を制定したり、既存の人事制度を見直したりする必要が出てきます。人事考課項目の見直しや昇降給、昇降格基準の見直しもその中のひとつです。
ただし、人事制度の制定には法律等の専門的な知識だけでなく、各職種に求められるスキルやスキルレベル等も把握しておく必要があるため、人事コンサルティング等の専門家に委託し、専門家と協力しながら作り上げる場合も多くあります。
まとめ
人事業務は、社内手続きや社内連絡が数多く発生します。必要な手続きが滞りなく進むよう、社内の連携をしっかりとることが重要です。
中小企業の場合は、「人事」だけを専門に担っている場合は少なく、採用や他の業務やを兼任している場合が多くあります。
そのため、人事担当になった場合は、業務の範囲を必ず確認するようにしましょう。