前回の続きです。ワンランクアップメール術として、「言葉を正しく使う」についてご説明していきたいと思います。
はじめに
この度、貴社WEBサイトのご情報や過去のご情報等を拝見させて頂きまして、
代表様に是非、我々の運営するWEBメディアサイトへご登場ための
インタビューをさせて頂くことをご縁にお会いさせて頂きたくご連絡
させて頂きました。
・・・・・
私のご連絡先は下記ですので、改めてご連絡させて頂けますと幸いです。
詳しくご説明させて頂きます。
これをご機会にご縁を頂けますと幸いです。
代表様からのご連絡を伏してお待ちしております。
ポイント2:言葉の表現が不適切なこと
じゃぁ、2つめね。
どの部分が不適切なのか、誰か指摘してくれるかしら?
「いただく」と「頂く」の書き分けですね。
補助動詞と動詞。
今回は、ほぼ「ひらがな」が正解だね。
漢字は1か所だけ「ご縁を頂けますと」だけだね。
はい。
「私のご連絡先」という表現も誤りです。
自分の連絡先に「ご」をつけて敬語にするのは
良くないな。
そうですね。
「WEBメディアサイトへご登場ための…」
おそらくここは
「WEBメディアサイトへご登場いただくための…」
が正しい表現じゃないでしょうか。
そうね。その通りだと思うわ。
あともう1つあるんじゃないかしら?
「拝見させていただきまして」、だろ?
WEBサイト見るのに、こっちの許可はいらないからな。
拝見し、で十分だ。
たしかに、おっしゃる通りですね。
「頂き」の多さに目が行って、見落としていました。
ふふふ。良かったわ。
気づいてたみたいで。
いや、だからさぁ。
ちゃんと見てるぞ、俺。
わかってるわよ。
この度、貴社WEBサイトのご情報や過去のご情報等を拝見させて頂きまして、
代表様に是非、我々の運営するWEBメディアサイトへご登場ための
インタビューをさせて頂くことをご縁にお会いさせて頂きたくご連絡
させて頂きました。
・・・・・
私のご連絡先は下記ですので、改めてご連絡させて頂けますと幸いです。
詳しくご説明させて頂きます。
これをご機会にご縁を頂けますと幸いです。
代表様からのご連絡を伏してお待ちしております。
言葉の表現が不適切だと起こる問題とは
言葉の表現が不適切だと、どういう問題が起こると思う?
ビジネスパーソンとしての評価に関わる
そりゃ、こいつ大丈夫か?
って思われることだろ。
ストレートだねぇ。
まぁ、その通りではあるんだけど。
オブラートに包む必要ないだろ。
そうね。問題ないと思うわ。
ただ、社外では…
わかってるって。
言い回しも表現も、信用・信頼に関わるからな。
信用・信頼できる人って思ってもらわないと、営業はまず無理だ。
はい。不適切な表現で話をしていても、聞く耳をもってもらえません。
メールもコミュニケーションですから、適切な表現、表記が必要です。
会社の研修、教育レベルが現れる
あと、きちんと会社で研修を受けているかも分かりますよね。
教えれば済む部分も多いですから。
調べりゃわかるからって、放っておくところもあるだろうしなぁ。
上がチェックしてやらないと、間違いに気づけないこともあるってのに。
その上が間違っていることも多いのが問題よね。
そうですね。
下は上の真似をしたり、コピーしたりしてメールを作りますから。
上が間違っていれば、下も間違って覚えてしまいますね。
会社でテンプレ作っても、それが間違ってたら、
もうどうしようもないしな。
クレーム対応のメールなら大惨事ね。
二次被害が出るかもしれないし。
文章ですから、どうしてもクセが出る部分はあると思いますが…
クセ、個性と間違いは異なりますから。
メールを送る初期段階で、しっかり学んでおくことが重要ですね。
そうよね。
私も最初は調べたり、上司に聞いたりしたわ。
普段使用している言葉、言語であれば、「使用できるはず」
と思ってしまうので、使い方や表現が合っているかまでは
気に留めない方もいるのかもしれません。
僕も、上司が使っていた表現を真似していたら、
お客様に指摘されてしまったことがあります。
今考えると、恥ずかしいです。
でも、気づけて良かっただろ?
今、役立ってるなら、それでいいと思うぞ。
はい。ありがとうございます。
皆が間違えていたら、いずれ意味も変わってしまうんだろうけど、
変わるまでは「間違い」だしね。
知っている人が見れば、気づくわ。
誰から見ても、間違いのないメールを目指したいですね。
難しいですけど。せめて下のお手本になるような文章を
書きたいものです。
そうね。表現は正しく。
意味が変わったら、それに倣う。
大事なことよね。
ポイント3:言葉の使い方が間違っていること
ついでに聞くけど、どこが間違っているか
分かるわよね?
あ、はい。では僕が。
「ご連絡を伏してお待ちしております」
の部分です。
これは、サイコーだよな。
伏せて待ってるって、犬じゃないんだからさ。
ペットに言う「伏せ」とはちょっと違うけど…
低頭平身、身を低くしてって意味だから。
そこは分かってるって。
でも文脈的に、そう見えるだろ?
そこは確かにねぇ。
文章を入れ替えるか、言いまわしを変えれば
そう見えなかったんだけどねぇ。
鍵尾部長の解釈は正しいと思います。
「伏して」は相手に何かをお願いする言葉なので、
「伏して」「待っている」という繋げ方は誤りだと思います。
この場合「お待ちしております」の主体は自分だから
「伏せた状態で待っている」という風に見えるのよね。
はい。そのため、入れ替えて
伏してご連絡をお待ちしております。
にしても同様に「伏せた状態」になってしまいます。
あ、そうだね。
ヤス。大丈夫か?
じゃぁ、正しくは?
はい。どうしても「伏してを使いたい場合は
・代表様からのご連絡、伏してお願い申しあげます。
・ご連絡くださいますよう、伏してお願いいたします。
・伏してご検討をお願いいたします。代表様からのご連絡、
心よりお待ち申し上げております。
などでしょうか。
さすが三毛さんね。
その方が誤解がなくていいと思うわ。
ありがとうございます。
今回は、こんなところかしらね。
ちょっと安心したわ。
時間取らせて悪かったわね。
いや。こういうところは結構大事だからな。
引き続き、安心してもらえるよう
しっかり指導していきます。
えぇ。お願いするわ。
じゃあ、解散しましょ。
おつかれさま。
おつかれさまです。
おつかれ。
おつかれさまでした。
おつかれさまです。
ありがとうございました。
まとめ
今回のメールには問題点が3つありました。
- 同じ言葉、同じ意味の言葉が多いこと
- 言葉の表現が不適切なこと
- 言葉の使い方が間違っていること
そして、「2.言葉の表現が不適切なこと」と「3.言葉の使い方が間違っていること」で起こる問題は下記とおりです。
言い回しも表現も、信用・信頼に関わるため、不適切な表現で話をすると聞く耳を持ってもらえない。
「クセや個性」と「間違い」は異なるため、きちんと会社で研修を受けているかが分かってしまう。
いずれも、「伝えたいことを正しく伝える」ために必要な配慮です。
言葉の意味は、時代の変化に伴い変わることがあります。
ですが、変わるまでは「間違い」になるため、「間違った」言葉を使用していては、ビジネスパーソンとして信用してもらえなくなってしまいます。
上司や先輩が使っている場合でも、真似(コピペ)をする前に、言葉の意味をしっかり考え、調べるクセをつけましょう。
それが、ビジネスマナーのひとつであり、伝えたいことを正確に適切に伝えられるようになるコツですよ。