今回は、NYA事務所での会話から、見ていきましょう。
言葉の書き方について NYA事務所編
真白くん、ちょっといいかな?
はい。大丈夫です。
メールの文章なんだけどね、少し気をつけておいて欲しい点があるの。
え?僕、どこか間違えてましたか?
うーん、厳密にいえばね。
僕、今日もメール送ったんですけど…大丈夫ですか?
うん、大丈夫だよ。
よかったです。でも、間違ってるなら何で言ってくれなかったんですか?
少しメールに慣れるまでは、言わないでおこうと思ってたんだよ。
そうなんですね。
うん。だから、そろそろいいかなと思って。
まだ全然な気もするんですけど…でも聞いておきたいです。
そうだね。今くらいの方がいいと思うよ。それで気をつけてほしい点はね
はい。
言葉の書き方、表現についてだよ。
言葉の書き方、表現ですか?
うん。簡単に言うと、ひらがなで書くか、漢字で書くかの違いなの。
ひらがなと漢字で、意味が変わるんですか?
そうだよ。例えば、ひらがなの「いただく」と漢字の「頂く」。
う~ん。両方「もらう」って意味ですよね?
そうだね。「~していただく」は、「~してもらう」の丁寧な表現。
「~を頂く」は、「~をもらう」という表現だね。
どこか違うんですか?
ひらがなの「いただく」は、補助動詞。漢字の「頂く」は、動詞。なんだよ。
補助動詞…動詞…
そうだね、例えば「近くのコンビニで待ってるから、来てくれない?」って丁寧に言うとどうなるかな?
えーっと…「近くのコンビニで待っているので、来てもらえませんか?」ですか?
もう少し、丁寧にできるかな?
う~ん。「近くのコンビニでお待ちしておりますので…」合ってますか?
うん、合ってるよ。
「来ていただけませんか?」ですか?
うん。正解。補助動詞は動詞に「いただく」がくっついて敬語の表現にしたものだから、
はい。
「来て」が動詞、それに「いただく」がくっついて「来ていただけませんか」
なるほど。
漢字の「頂く」は、もらう・くれる・食べるという動詞の謙譲表現。
誰かから何かをもらった時や何かを食べた時に使うものなんですね。
そうだよ。漢字の「頂く」何か例を思いつくかな?
物をもらう…
あ、この前お客様から年末のご挨拶でお菓子を「頂き」ました。
うん。正解。分かってきた?
はい、でも…
うん?
「資料をいただきありがとう…」と「資料をお送りいただきありがとう…」って同じ意味じゃないですか?
そうだね、似てるけどちょっと違うんだよ。
資料をもらったのは同じですよね?
「資料を頂きありがとう」は、資料を『もらった』ことの謙譲表現だから漢字。
はい。
「資料をお送りいただきありがとう」は、資料を『送って』くれた相手の行動を表す敬語表現だから、ひらがな。
あ、なるほど。「資料をもらった」ことと「資料を『送って』もらった」ことの違いなんですね。
うん。そうだよ。
なんか、分かった気がします。
よかった。
「頂く」は謙譲語。
「~いただく」は尊敬語。
この違いも覚えておくといいよ。
はい。わかりました。
あの、悩んだら聞いてもいいですか?
もちろん。聞きにおいで。
わかりました。
ありがとうございます。
ポイント
ひらがなの「いただく」は、補助動詞。
漢字の「頂く」は、動詞。
補助動詞の「いただく」は、動詞に「いただく」がくっついて敬語の表現したもの。
送る+いただく → お送り+いただき
ひらがなの「いただく」は、動詞に「いただく」をつけて敬語(尊敬語)にしたもの。
~してくれる、~してくれての尊敬語。
資料をくれて → 資料を頂き
漢字の「頂く」は、もらう・くれる・食べるという動詞の謙譲語。
その他、「いたす」と「致す」の書き分けも注意が必要です。
詳しくは、
で解説していますので合わせて読んでくださいね。