ワンランクアップメール術:1.同じ表現の繰り返しはできるだけ避ける

ビジネスメール

今回は、ワンランクアップメール術として、「同じ表現はできるだけ避ける」についてご説明していきたいと思います。

はじめに

NYA事務所の社長 招ねこに1通のメールが届きました。
内容は理解できますが、少々問題の多いメールのようです。
招は、従業員にそのメールの印象を聞くために、従業員に声をかけます。
招 ねこ
招 ねこ

茶縞くん、三毛さん、ちょっといいかしら?

茶縞 穏
茶縞 穏

おつかれさまです、社長。

三毛 和
三毛 和

はい。
招社長。お疲れ様です。

招 ねこ
招 ねこ

おつかれさま。

さっき転送したメールは読んだ?

茶縞 穏
茶縞 穏

読みましたよ。

三毛 和
三毛 和

はい。確認いたしました。

招 ねこ
招 ねこ

あのメール、どう思った?

茶縞 穏
茶縞 穏

えーっと、取材についてですか?

招 ねこ
招 ねこ

違うわよ。文章よ、文章。

茶縞 穏
茶縞 穏

文章ですか?

三毛 和
三毛 和

あの文章は問題ですね。

同じ表現が多く、言葉遣いの間違いもありました。

招 ねこ
招 ねこ

そうね、
ちょっと…ひどわよね。

茶縞 穏
茶縞 穏

ものすごく気を遣って、相手を持ち上げようとしている

ってことは分かるんですが…問題ですね。

招 ねこ
招 ねこ

それで、呼んだのは、確認なんだけど。
うちの会社は、あんな文章送ってないわよね?

茶縞 穏
茶縞 穏

えっと…
以前営業メールを見たことがありますが、

普通でしたよ。

三毛 和
三毛 和

はい。
この前、錆柄さんから言いまわしの確認がありましたし、
気をつけていらっしゃると思いますよ。

招 ねこ
招 ねこ

そう…だったらいいんだけど。
念のため、鍵尾くんと錆柄くん、読んできてもらえるかしら?

三毛 和
三毛 和

はい。

かしこまりました。

・・・

鍵尾 幸
鍵尾 幸

ねこさん。おつかれ。

錆柄 臆
錆柄 臆

おつかれさまです。

招 ねこ
招 ねこ

おつかれさま。悪いわね。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

おう。大丈夫だ。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

で、何があったんだ?

このメンツ…何かヤバイことか?

招 ねこ
招 ねこ

大したことじゃないわ。

悪いんだけど、このメール見てもらえるかしら?

鍵尾 幸
鍵尾 幸

あぁ。
えーっと、ナニナニ?

錆柄 臆
錆柄 臆

承知しました。
えーっと…

宣伝広報関係企業の**と申します。
この度、貴社WEBサイトのご情報や過去のご情報等を拝見させて頂きまして、
代表様に是非、我々の運営するWEBメディアサイトへご登場ための
インタビューをさせて頂くことをご縁にお会いさせて頂きたくご連絡
させて頂きました。
・・・・・
私のご連絡先は下記ですので、改めてご連絡させて頂けますと幸いです。
詳しくご説明させて頂きます。
これをご機会にご縁を頂けますと幸いです。
代表様からのご連絡を伏してお待ちしております。
鍵尾 幸
鍵尾 幸

なんだこのメール?
こんな文章じゃ提案が入ってこないぞ。

錆柄 臆
錆柄 臆

言いたいことは分かりますが…
これは…なんと言いますか…

招 ねこ
招 ねこ

良かったわ。

その反応なら安心ね。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

どういう意味だ?

招 ねこ
招 ねこ

うちの会社の営業メール、最近見ていなかったから。
どんな反応するかと思って。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

あのさぁ、ねこさん。
俺の文章知ってるだろ?
付き合い長いんだからさ。

招 ねこ
招 ねこ

そうだけど…
これ見ると不安にならない?

鍵尾 幸
鍵尾 幸

まぁ、なぁ…

それも分からんでもないけどな…

送られてきたメールの問題点とは?

招 ねこ
招 ねこ

じゃあ、このメールの問題点を挙げてみてくれる?

三毛 和
三毛 和

はい。

大きくは3つです。

同じ言葉、同じ意味の言葉が多いこと
言葉の表現が不適切なこと
言葉の使い方が間違っていること

です。

招 ねこ
招 ねこ

そうね。そのとおりだと思うわ。

ポイント1:同じ言葉、同じ意味の言葉が多い

招 ねこ
招 ねこ

じゃぁ1つ目、誰か指摘してみてくれる?

錆柄 臆
錆柄 臆

はい。では僕から。

させて頂く」が多い点です。
丁寧な表現を心がけたのだと思いますが、少し多い気がします。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

2つ目の文章は改行があるとはいえ、読点「、」がないな。

3行で1文は長いすぎるぞ。
どこかで切って2文にした方がいいな。

茶縞 穏
茶縞 穏

WEBサイトのご情報過去のご情報
ここも気になるねぇ。
社長は外部のインタビューに出ていないから、社長の情報は
当社のWEBサイトしかないはずなんだ。
つまり同じことを指しているよね。

三毛 和
三毛 和

私は「幸いです」という表現が気になります。

この言葉も丁寧な表現で良いものなのですが、

1つのメールの中に2つ使うのは多いと感じます。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

あと、「ご連絡」も3つあるな。
できれは1つは表現を変えたいところだな。

宣伝広報関係企業の**と申します。
この度、貴社WEBサイトのご情報過去のご情報等を拝見させて頂きまして、
代表様に是非、我々の運営するWEBメディアサイトへご登場ための
インタビューをさせて頂くことをご縁にお会いさせて頂きたくご連絡
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・・・・・
私のご連絡先は下記ですので、改めてご連絡させて頂けますと幸いです
詳しくご説明させて頂きます。
これをご機会にご縁を頂けますと幸いです
代表様からのご連絡を伏してお待ちしております。

同じ言葉、同じ意味の言葉が多いと起こる問題とは

招 ねこ
招 ねこ

ふむふむ。1つ目はそんなところね。

じゃぁ、同じ言葉の多用がなぜ問題になると思う?

読みづらくなる

錆柄 臆
錆柄 臆

単純に読みづらくなるからではないでしょうか。
書かれている情報が多くなるため、必要な情報・不必要な情報の

取捨選択に時間がかかってしまいます。

鍵尾 幸
鍵尾 幸

まぁ、それもあるが、

読みにくい文章ってことは、伝わりにくい文章
になってるから問題なんだ。

営業で、言いたいことが伝わらないなんて、

仕事にならないだろ。

茶縞 穏
茶縞 穏

そうだね。
メールもコミュニケーションの1つだから。
読みづらい=聞きづらいってことだからね。

錆柄 臆
錆柄 臆

おっしゃるとおりです。
読みやすく、丁寧に、を心がけないといけませんね。

緊急度が伝わりにくい

三毛 和
三毛 和

はい。
あとは「緊急度」の問題ですね。

招 ねこ
招 ねこ

そうね。その問題もあるわよね。

同じ表現が悪いわけではないんだけど、

レベルの書き分けには語彙力が必要だものね。

錆柄 臆
錆柄 臆

レベルの書き分け、ですか?

招 ねこ
招 ねこ

えぇ。たとえば

・絶対やってほしい

・できればやってほしい

・やってくれると嬉しい

この3つ。

錆柄 臆
錆柄 臆

はい。

招 ねこ
招 ねこ

この3つすべて「お願いします」という表現にすると、

どの程度「やってほしいのか」のかが伝わらないでしょ?

つまり、緊急度が伝わりにくいのよ。

錆柄 臆
錆柄 臆

確かにそうですね。

招 ねこ
招 ねこ

この「緊急度」の書き分けには、語彙力というか、
言い回しのバリエーションが必要なの。

茶縞 穏
茶縞 穏

自分の思っていることを正確に伝えるには

自分の思っていることを正確に書き表す能力

が必要になるんだよ。

錆柄 臆
錆柄 臆

なるほど。
そういうことだったんですね。
勉強になりました。

稚拙に見え、説得力に欠けることがある

鍵尾 幸
鍵尾 幸

あとは単純に語彙力だよな。

業務連絡には必要ないが、

メールは会話と同じだからな。

同じ言葉の繰り返しは稚拙に見える

三毛 和
三毛 和

そうですね。
稚拙な文章だと説得力に欠ける時があるので

ビジネスとしてはかなり問題になります。

招 ねこ
招 ねこ

そうね。説得力大事だわ。

たとえば…って

例えるものを多く知っていると、

分かってもらいやすくなるものね。

茶縞 穏
茶縞 穏

たとえ話は経験からくるものも多いですが

その経験を文章化・言語化するのは「語彙力」
なので結局は「語彙力」に尽きますね。

錆柄 臆
錆柄 臆

そうですね。

伝えるべきこと伝えられるように

務めていきます。

まとめ:同じ言葉、同じ意味の言葉が多い

今回のメールには問題点が3つありました。

  1. 同じ言葉、同じ意味の言葉が多いこと
  2. 言葉の表現が不適切なこと
  3. 言葉の使い方が間違っていること

そして、「1.同じ言葉、同じ意味の言葉が多いこと」で起こる問題は下記とおりです。

読みづらくなる
書かれている情報が多くなるため、必要な情報・不必要な情報の取捨選択に時間がかかってしまい、結果、読みづらく、伝わりにくい文章になる。
緊急度が伝わりにくくなる
同じ表現だと、緊急、困っている度合いが伝わりにくくなってしまう。
ものすごく困っているのに、「よろしくお願いします」だけで伝わるかどうか。
稚拙に見え、説得力に欠けることがある
同じ言葉の繰り返しは稚拙に見え、説得力に欠けることがある。

いずれも、「伝えたいことを正しく伝える」ために必要な配慮です。

なお、同じ言葉、同じ意味の言葉を避けるためには、「語彙力(ボキャブラリー)」を鍛えることが大切です。
語彙力を伸ばし、伝わりやすく、説得力のある文章を心がけましょう。

2.言葉の表現が不適切なこと
3.言葉の使い方が間違っていること

は次回ご説明します。

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